『それにしてもあんた。気をつけてよ。東京の一人暮らしなんて、ましてや女なんだからね。』 「はいはい。何回も聞いたって。」 この春。 私は東京で一人暮らしを始める。 行きたい大学が、向こうにあるから。 『それともうひとつ。』 「なに?」 『そろそろ忘れて、あたしとパパを安心させてちょうだいね。』 「…わかってるよ」