最終的に葵は
ウェディングリングに
指輪2つ分のお金を
注ぎ込むことで
自己解決したみたい。
そんな高価なものは
いらないって
あたしが言っても無視。
…そのときが来たら
丁重にお断りしよう。
普段身に付ける指輪が
高価なものだったら
手も洗えないじゃない。
「てか、海のご両親の承諾なきゃ
いま俺ここにいねえし(笑)。」
『え‥?』
「いくら娘の彼氏でも…
夜に娘の部屋にこうして
男が忍び込むことを
許す親なんていねえだろ。」
そりゃそーだ。
じゃあ、お父さんたちは…
「俺んちで、酒盛りしてるよ。」
あたしの疑問に先回りして
葵が答えてくれた。
「ほんと、酒と無駄話が好きだよな、俺らの親たちは。」
『そうだね…。』
「今頃、祝酒呑んでるよ。
…自分らの子の婚約を祝って。」

