催涙雨






『───‥葵‥?』



「んー‥?」



あたしは葵の明るい茶色の髪に
そっと手を乗せる。

───‥ふわふわと柔らかい。



『‥葵。』



葵が、ここにいる。



「なんだよ‥。」



優しく笑いながら
葵が振り向いた



葵だ、葵がいる───‥。



『───‥あ‥お‥』


「───海?」




ふいに心に波が押し寄せた。

葵を想う、切ない波が。