催涙雨





鼻腔をくすぐる香りに
頭がカッと動き出す


ムスクの香りは
彼女のようにキツくなく
そっと優しい。

ムスクの下には
フルーティーな果実の香り

夏を感じる
爽やかで優しい香り。



目線をずらせば
輝く小さな星が見える。




『───‥あ‥おい‥?』




名を呼ぶとあたしの首筋に
そっと顔を埋めるカレ。



どうして───‥?

これは夢なの───‥?



そんな疑問は一瞬にして
小さな痛みに消されてしまう。



『───‥っ‥!』