催涙雨





自室のドアを開ければ
月明かりのない
暗い空が窓に浮かぶ。


雨は勢いを弱めることなく
ザアザアと降り続いている。



窓辺に設置してあるベッドに
横になって夜空を仰ぐ。


暗い、暗い───‥
黒い空だ。



先ほど見た記憶と
昔学んだ記憶と照らし合わせ
晴れた日の夜空を
胸にそっと思い描けば

暗い空に星が浮かぶ。



『…本当は…あそこにベガ。』



なにも見えない空に
人差し指をそっと掲げれば
そこには見えない星が
あたしの内側で輝いている。



『…天の川、見えないね。』