催涙雨





玄関から外へと
飛び出しそうになったあたしを
咄嗟に父が掴まえた。



「おい。こんな時間に
どこ行くんだよ?」



父の声色は決して
怒っているわけではなく‥

あたしを心配するような
温かさを感じる
そんな声色だった。



『っ…なんでも、ない。』



腕を掴む父の顔と
廊下の奥から覗き込む
母の顔を見ると
涙がこみ上げ溢れた。