催涙雨






私の、父───‥。



『お父さん、おかえりなさい‥』



「おーただいま。なんだよ。
出迎えなんて珍しいな。」



『出迎えじゃない‥!』



一瞬でも期待してしまったが為に
ついつい声を荒げてしまう。



案の定、父は鳩が豆鉄砲を
くらったような顔になる



「海…?」



目が熱くなり
涙が溜まってくのがわかる。



ごめん。

ごめんなさい、
お父さん。


今日もお仕事お疲れ様
ありがとう。



胸の内で呟いた言葉は
当然あたしにしか聞こえない。



でもいまのあたしには
伝えられるような余裕なんて
───どこにも、ない。




「海‥?!」