催涙雨





ザアザアと音を生して
降り注ぐ雨は
あたしの心まで侵食してゆく。



今日だけは───‥
今日だけは、降らないでほしい。


降らないでと、
何度祈っただろう。




二人の会瀬を、
遮るように降る雨。




気分が暗くなったあたしだが
次の瞬間───‥
思わず心が跳ね上がった。



がチャリと玄関の取手を
ひねる音がする。


それはまるで
スローモーションのように

あたしに伝わる。