催涙雨





あたしはリビングのソファーに
深く腰を下ろした。


大丈夫。


ちゃんと、届くんだから。



リビングにはテレビから漏れる
バラエティー番組の出演者たちの
笑い声が響いているはずなのに


あたしの耳には届かない。


あたしの耳に届くのは
チクタクと時を刻んでゆく
壁掛け時計の音だけ。



「───‥み、海!」



『───‥ぇ…?』