なんでも屋 神…最終幕

その時、奥の部屋からヒロの怒声が聞こえてきて、俺の視線は奥に有る木目調のドアを捕らえた。



「そのまま立って、あのドアの前まで歩け。」



脳内では何が頭に突きつけられたのかを理解しようとしているが、非現実的な出来事に身体を硬直させた組員をなんとか歩かせる。



その間にもヒロの威勢の良い声は止む事が無く、今までどれ程我慢していたのかが伺えた。



そんなヒロの言葉尻を掴み、被せるように態とドスを効かせた男達の声が聞こえる。



ヒロ以外の声は全部で四つ。最低でも中に四人と、俺の目の前を歩く間抜けを足して五人か…。



ヒロと二人なら、無理な数字じゃないな。