なんでも屋 神…最終幕

子供達の無邪気な声が響く公園内では、お決まりのデートスポットになったベンチに、年老いたカップルが居た。



少し離れた場所を歩いている俺に気付き、感謝の意を込めて会釈してくる二人に、俺も歩きながら笑みと会釈を返す。



「待っとったよ神君。随分早かったの〜。」



丁度木陰になった簡易住宅の所には、木漏れ日が斑点のように映った大さんが、何時ものように歓迎の両手を振ってくれている。



「ヒロの件から頼み事ばっかりで悪いね大さん。で、見つかったの?」



全く気にする事は無いと、枯れ木の小枝のような腕を横に振る大さんは、段ボールから千切った一枚の紙を手渡してくれた。