なんでも屋 神…最終幕

「あぁ〜悪い!今ちょっと急いでるんだ。上にノリが居るから、事務所で待っててくれないか?」



マコからの返事も待たずに、大急ぎでエレベーターを飛び出した俺は、そのまま外に停めてあるマジェスティに跨った。



直射日光を存分に浴びた相棒は、怒り狂ったように体温が高めで、キーを差し込むと雄叫びに似た声を上げる。



マジェスティを車道に流すと、熱せられた鉄板のようなアスファルトに押し付けられた、タイヤの溶ける臭いがした。



もたつくような空気の中を、順調に走り始めたマジェスティは、小川を遡っていく小魚のよう。



目的地に到着した俺は、U字が逆さまに地面へ突き刺さった、バイク進入禁止の前に相棒を残して中へ入っていく。