なんでも屋 神…最終幕

確かな疲労感は身体に蓄積されているが、どうにも眠る気分にはなれず、ただベットの上に座って部屋を眺めていた。



初めて父親と対面を果たすというのに、何の感情も沸きはしない自分が、ロボットにでもなったかのように感じる。



そんな俺の気分を察してか、一葉は明日の葬式には必ず来るからと言って帰って行った。



俺とお袋だけでイトさんに別れを告げるのは、しめやかを通り越してイトさんに申し訳なく感じる。



だから一葉にそう言って貰えたのは、正直有り難かった。



母子家庭で、一葉のお袋さんは忙しい。



だから今の一葉が出来る家事は、全てイトさんに教えて貰った事…きっと俺とは少し違う感情を抱いているのだろう。



何も言わなくても明日は来たのだろうが、言葉に出して貰えただけでも、心に訪れる安堵感が違うものだ。