なんでも屋 神…最終幕

[神堂組]の事務所を出ると、空に連ねていた雲の間に隙間が出来、青空が見え隠れしていた。



随分長い時間をあの部屋で過ごしていたかのような、ずしりと重い疲労感を肩の上に感じる。



それを振り払うように、取り出したタバコに火を付け、空に向かって勢い良く煙を吐き出した。



口の端にタバコをくわえたまま、マジェスティに跨ってキーを差し込み、アクセルを開いていく。



もう二度と、この場所を訪れる事は無いだろう…。



漆黒の壁を纏うビルが、背後で小さくなっていくのを感じていた。



向かわなければならない場所はあと二つ。



先ずは、厄介な物を片付けに行かなければならない。