三人共口を開かず、顔を突き合わせていても吐息の漏れる音すら聞こえない。



そんな静寂を切り裂く携帯の着信音が、けたたましく聞こえる程、室内に鳴り響いた。



「あぁ、そうか。こっちに連れてきてくれ。」



恐らく電話の相手は、ノリの捜索を命令されていた子飼い連中の誰か…。



その口振りから、ノリが見つかったのだと悟った。



「辰徳が見つかった。」



通話を終え、携帯をスーツの内ポケットへと戻すと、黒沢一樹は呟くように俺へ告げた。