なんでも屋 神…最終幕

「女記者を轢き逃げに見せかけて殺したのは、殺人事件より捜査の手が行き届かないからだろう?だが、それがノリの女だとは知らなかったみたいだな。」



普段から感情の変化を表情に表さない黒沢一樹が、目尻と眉を一気に跳ね上げた。



「何だと!辰徳は一言もそんな事を言ってなかったぞ!」



それでなくとも、ノリは黒沢一樹という人間に心酔している。拾って貰ったという恩義も感じている。



言えるはずがないだろう。



だから更に心酔し、マコの事を忘れようとした…。



そして、二つの気持ちの狭間でノリは壊れた。



この間の情緒不安定の原因はそれだ。



「実行犯の中にノリは居たのか?」