なんでも屋 神…最終幕

次の日もうだるような暑さだったが、陽が昇りきる午前中に用事を済ませていて助かった。



午後からでは、行き交う車から吐き出される排気ガスと、太陽熱を蓄積して照り返すアスファルトの所為で、脱水症状を引き起こしてもおかしくない。



[トレイン]の前にマジェスティを停めるも、マフラー以外を黒に塗装している相棒は、本当に触れれば火傷してしまうだろう。



少し先に見える陽炎を追いかけるように、探し人を求めてメインをぶらついてみる。



確かにこの暑さでは、動物園の白熊が氷にかぶりつく気持ちも分からなくはない。



ガキの頃からメインを遊び場に育った俺にとって、目的の分かっているあいつ等を探し出すのに、さほど時間はかからなかった。