俺が玄関のドアを開くと、イトさんが眠っている部屋から顔を出した一葉にお袋さんを任せ、二階へ続く階段を上る。



マコのお袋さんがメモリースティックを持っていると勘違いされ、襲われる危険性を考えて連れてきた。



もう俺は全て分かってしまった。



この家が一番危険性が少ない事を、そしてその理由を…。



それを語ったのは、喋れない写真に写った五人の男。



俺はその全てに見覚えがあった。



「あの人が例の娘さんの母親かい?」



真実を知ってしまった俺は、一気に心の中で渦巻く憎悪に満たされ、お袋がドアを開けていた事さえ気付かなかった。