故意の事件なのか、偶然起こってしまった事件なのか、それだけでも心に掛かる負担は大きく違う。



それはお袋さんが瞬間的に流し出した涙の量を見れば、どれ程の差が有るか感じ取れる。



俺の仮説が明確な輪郭を表したのは、マコのお袋さんからかかってきた電話を切ってからだ。



俺の名前が書かれたメモリースティック。



その存在が、俺に相談したかった、または伝えたかった事。



時間がなかっただけに自信もなかったが、そう考えれば考える程、仮説は真理へと近付いていく気がした。



「そのメモリースティックを貸して貰えますか?」