なんでも屋 神…最終幕

鉄錆の臭いがする扉を閉め、こんな気分の時にも関わらず、憎らしい程に瞬いている星空を見上げた。



ポケットから出したタバコに火を付けると、緊張の中に居た所為で、煙が喉の粘膜に張り付いて苦く感じる。



思い切り吐き出した煙が、東の空に薄っすら見える群雲に重なった。



「…明日は雨かな。」


誰に言うでもなく吐いた言葉は、けたたましく鳴り響いた携帯の着信音にかき消された。



ただ機械的に着信を知らせるだけなのに、かけてきた相手の気持ちを伝えるような音が不思議に感じる。