なんでも屋 神…最終幕

「…撃つ気が無いな?」



俺の言葉を最後まで聞き取らない内に、ノリの目尻と眉が一気に跳ね上がった。



なんでも屋を初めてから身に付けた、観察眼と洞察力は伊達じゃない。



「大体にして、ノリが俺を殺すチャンスなんて腐る程有ったはずだ。」



事務所に仕掛けていたのが俺のベレッタでなければ、もっと大胆に違う手段を選んでいれば、俺はこの場に居ない。



仮に事務所での事が最終警告だったとしても、俺がこの廃工場に入ってきた時点で、もう最終警告は既に済んでいるのだから、直ぐに撃ったとしても問題は無いはずだ。