スクエアな光を放つ携帯をポケットに戻し、左右の腰に指したトカレフの位置を確かめる。



二丁も有るお陰で少し重く感じるが、どうしても気になると言う程ではない。



扉の前まで歩きながら吸ったタバコは、大部分が残っていたが砂土の上に投げ捨てた。



動悸が激しくなっていくのを抑えながら、鉄錆の浮いている大きな扉を開いていく。



ノリの姿は直ぐに見つかった。



扉から、距離にして十メートル程の所で突っ立っている。



漂う雰囲気で挨拶は不要と判断した。



扉を後ろ手で閉め、俺は足を早めて真っ直ぐノリに向かっていった。