なんでも屋 神…最終幕

「突然お邪魔したのに、すいません。」



リビングに戻った俺は、お袋さんが持ってきてくれた、湯飲みサイズのコップに入った麦茶を一口だけ口に含んだ。



「いいえ、あの子の荷物を整理していた所ですから。来てくれて有り難う。一人だと塞ぎ込んでしまって駄目ね。」



そう言うとお袋さんは、背後にある仏壇へと視線を送った。



警察から轢き逃げ事件と言われても、一向に進展を見せない事件。



既に世間では、話題の一つにすらなっていない。



「突然の事で驚いたんですけど、麻琴さんの事は事件になってるんですよね?警察からは…。」