なんでも屋 神…最終幕

右の方へ視線の先を流すと、河原沿いと並ぶようにして植えられた木から、蝉の鳴き声が大音量で聞こえてくる。



其方に気を取られていると、玄関のドアがゆっくりと中から開かれた。



「どちら様でしょうか?」



活発なマコに、優しさを加えたといった印象の女性。



数十年後には、マコもこういう顔になっていたのかもしれない。



「生前の麻琴さんと仲良くさせて頂いていた者で、赤星と言います。訪れるのが遅くなってしまったのですが、線香を一本立てさせて頂けますか?」



お袋さんがマコから何か聞いているかも知れないと思うと、名前は伏せておいた方が良いだろう。