なんでも屋 神…最終幕

差し出された名刺を手に取り、一頻り眺めてから仕舞い込んだあと、飲みたくもないお茶を一口啜った。



「この街で、なんでも屋をしている神と言います。」



余り職業を口にしたくはなかったが、持ちつ持たれつの関係でなければ、平山は何も語ってくれないような気がした。



そんな俺の推測を裏打ちするように、平山の黄色がかった瞳がメガネの奥で光を放つ。



何かに納得したような素振りを、俺を見つめる視線を上下に揺らす事で表す平山。



恐らく、マコが春に拾ってきたクラブドラッグのネタ元は、俺だと当たりを付けたのだろう…好都合だ。