シャワーを浴びて部屋に戻り、出掛ける準備を整えて再び階段を下りていく。



「お出かけで御座いますか坊ちゃま?お昼ご飯の準備が出来ていますが、どうなさいます?」



藍染の前掛けで両手を拭きながら、リビングのドアを開けてイトさんが顔を出した。



最近は朝食も取らずに出掛けていたので、片手で食べられるファーストフードに頼りきりだ。



「今日は急ぐ仕事もないし、食べてから行こうかな。」



一旦なんでも屋を閉めて、急ぎの仕事もなくなってしまったので、朝食代わりの昼食を食べてから行く案は、単なる気紛れだった。