「今まで兄ぃと一緒に居たんだ。兄弟分の縁も、切ってきた。」



言葉にした途端、決別の二文字が浮き彫りになっていくような気がしたが、もうお互い引く事は出来ない。



「神君は、仕事の話しは私にしてくれないだろうし、神君がそう決めたのなら、悲しいけどそれで良かったと思うよ…。私は何があっても神君の味方だし。」



兄ぃとの決別で欠けてしまった心の一部が、一葉に修復されていく気がした…。



「ありがとな。俺と一葉の関係を兄ぃ達は知ってる。万が一の事も考えて、絶対に一人にはなるなよ。もしも一人になりそうだったら、俺に連絡してくれれば良い。直ぐに飛んでくる。」



俺の言葉にしっかりと頷いた一葉を確かめ、見つからない内に涙の轍を拭った後、重ね合わせるように手を繋いで歩き出した。