なんでも屋 神…最終幕

兄ぃにも確かに余裕は有るが、神堂のそれと比べると、どうしても見劣りする感は否めなかった。



その余裕は、これから[神堂組]を切り盛りしていく中で身に付けていくものだから、時間の問題とも言えるだろう。



「暫く会わなかった内に、何か俺を勘違いしてるんじゃないの?俺がこれまで金で動いた事が有った?」



身長はほぼ同じ。お互いの鋭い視線は相手の眼、その最奥に行き着き、思惑を読みとろうとしている。



「そうだったな。最近はそんな奴等しか相手にしてなくてな。だが俺はお前に歩み寄ったはずだ。」



室内の空気が氷結していき、その空気が沈殿していくようで、息をする事すら苦しく感じられた。