なんでも屋 神…最終幕

吸いかけのタバコを、人差し指で萩へと飛ばしてやると、ホストばりの白いスーツに黒点が付いた。



場所は胸ポケットの少し下。火の粉をまき散らしながら、木製の床へとタバコは落ちていく。



その床に落ちたタバコを暫く見つめていた萩は、眉を吊り上げて激昂しながら俺へ突進してきた。



スーツを汚された事に対する怒り。相手にもされなかった屈辱。その二つが萩の表情で混濁している。



脇を締めて出された左ジャブに返すのは、右手のグラスに残っていた、ブランデー混じりの氷で十分。



両目の周辺に水滴や氷が当たり、思わず顔を顰めて動きを止めた萩を見ながら、止まり木から立ち上がって左フックを出した。