なんでも屋 神…最終幕

小関さんがなんでも屋を訪れる前から、[赤とんぼ]への嫌がらせは始まっていた。



それは荒木と兄ぃの方が接触するのが早かったという事を意味し、兄ぃの方が早期に関わっていたから、その意地で引く事が出来ないとも考えられる。



単純に、金が動いていると言う答えではないような気がした。



少なくとも、俺の知っている黒沢一樹はそんな男じゃない。



どっちが先も後もなく、同じ件に一枚噛んだのを知ったら、有る程度は譲歩しようと言うのが、俺と兄ぃの関係だ。



「理由まで話す必要は無い。俺はこの件から手を引くつもりが無いからな。依頼金の倍額をこっちで払う。それでも足りない時は言ってくれ。」



これで金の線は消えた。



金で仕事を請け負った人間が、良い値を払うなんて事はまず無い。