なんでも屋 神…最終幕

左のポケットから取り出したタバコの中から、口の先で一本抜いて穂先に火を付ける。



静まりかえる辺りに、乾燥した葉っぱがジリジリと燃えていく音が小さく響いた。



絶えず留まらない微風のお陰で、昼間よりは幾分臭いも収まったエントランス前の階段に座る。



夜空を見上げれば、天に蓋をしたような濃い叢雲が横たわり、星も月もその姿を消していた。



なにも今日曇る事はないのにと思いながら、東から吹いてくる微風に吐き出した煙を乗せる。



そのまま間を置いて四本程タバコを吸った所で、今度はスロープ方に移動して寝っ転がった。