なんでも屋 神…最終幕

夜気が深まってきた午後十一時過ぎ、肌寒さから意識を現実世界に引き戻された俺は、デスクに張り付いていた身体を引き剥がした。



身体の節々が音を立てるのを聞きながら、睡眠時間の短さから来る気怠さを、大きな伸びで払拭させる。



申し訳程度で付いている給湯室で顔を洗い、顎先に伝っていく水滴をタオルで拭っていく。



デスクの上に置いていた携帯とタバコを、それぞれ別のポケットに納めた所で頭を悩ませた。



[赤とんぼ]の依頼にベレッタは必要か否か…。



出来るなら余り使いたくはない品なので、持って行かないに越したことはない。



しかし、相手が複数だという事が気にかかる。二人三人でも、九人や十人でも複数の内には入る。