なんでも屋 神…最終幕

やはり椰子の木には、プルメリアの華が似合うと思ってしまう俺は、自分でも不謹慎だと自覚している。



それもマコが亡くなったという実感が、未だ沸いていないからだと言う事も自分で分かっていた。



今でこそ肌に気を使っていたマコだったけれど、俺と初めて会った頃のマコは、思う存分陽に焼けていた。



部活で陽に焼けた訳でも、日サロに通い詰めて肌を焼いていた訳でもない褐色の肌と黒髪は、俺に南国の女性をイメージさせた事も、不謹慎な発言の理由の一つだろう。



道すがらで買ってきた花束を、重ねられた花束の上に置いて、暫しの間マコとの思い出に浸る。



人の亡くなった実感というものは、その人の声を聞けなくなった事や、姿が見えなくなった事で、初めて悲しみに浸れるのだ…。