浜風とはまた違った風の匂い。
重油が流れ出ている訳でもないのに、何処か油の臭いが混じったように感じる潮風。
周りに建物と呼べる物は、ズラリと並んだ各企業の持ち倉庫か、不特定多数の人間が借りている貸倉庫だけしか無い。
だが、それももう少し先に見える倉庫街の話しで、俺が立っているのはその倉庫街に続く道路の片隅。
他の海岸から漂流してきたペットボトルや発泡スチロールが、行く宛も無く海の上を漂っている。
それ等がヘドロに似た黒い物体と、戯れるように浮かんでいる姿を見れば、環境美化目的で植樹された椰子の木も意味をなさない。
椰子の木の下に並べられた花束が、強く吹き付ける潮風に、大きく開いた花弁を寂しげに揺らしていた。
重油が流れ出ている訳でもないのに、何処か油の臭いが混じったように感じる潮風。
周りに建物と呼べる物は、ズラリと並んだ各企業の持ち倉庫か、不特定多数の人間が借りている貸倉庫だけしか無い。
だが、それももう少し先に見える倉庫街の話しで、俺が立っているのはその倉庫街に続く道路の片隅。
他の海岸から漂流してきたペットボトルや発泡スチロールが、行く宛も無く海の上を漂っている。
それ等がヘドロに似た黒い物体と、戯れるように浮かんでいる姿を見れば、環境美化目的で植樹された椰子の木も意味をなさない。
椰子の木の下に並べられた花束が、強く吹き付ける潮風に、大きく開いた花弁を寂しげに揺らしていた。


