――そして、新堂がゆっくり話し始めた。 「あのな……俺んち、片親なの」 「え……?」 「俺が小学生の頃に、親父が事故で死んで、母親が女手ひとつで俺を育ててくれたんだ」 新堂とは、小学校の頃から一緒だけど……この話は初耳だった。 いつもいつも明るい新堂だったから、そんな家庭だったなんで、微塵も知らなかった。