すっかり夢中になって歌詞やメロディーを追っていると… 「…やっぱ、すげーよなぁ」 ボソッと、新堂がそう言った。 「へ?なにが?」 いつの間にか新堂はあたしの背後に立っていて、あたしが左手に持っている楽譜を覗き込むようにしていた。 「いや…こんな暗号みたいなおじゃまたくし見て、さっと弾けるのがさ」 「おたまじゃくし、ね」