【小笹side】 「入学式に見たときから、ずっと好きでした。…俺と付き合って下さい!」 そう言って、目の前の彼は頭を下げた。 はぁ…、これで今月何回目だっけ…。 5月下旬。北原高校に入学して少し経った今日もまた、話があると知らない人から呼び出された。 「やっぱ…無理…かな?」 そう聞かれ、あたし 高橋小笹(たかはしこざさ)はいつもと同じ答えを出す。 『ごめんなさい、無理です。』