「いえっ、違うんです…。その…同姓同名で…?」
「昔の彼氏と?」
井上さんはあたしをまっすぐみて聞く、
「…はぃ。でっでも別人です…し…。うぅ…」
「…これ。良かったらいつでも連絡してください。」
井上さんはあたしに強引に名刺を渡して行ってしまった。
その名刺に写っている井上さんは斗真くんにそっくりで…。
でも斗真くんはこの世には存在しなくて…あれは別物で…
だけど気付いたらあたしな井上さんの背中をおっていた。
「井上さんっ!」
「おっ。」
勢いが止まらなくて一緒に転んでしまった。井上さんは腰をかがめて起き上がる。
「どうしたんですか?」
「あたし…あたし…」

