「違うよー」


ふくれっ面の私を見ながら、


「でも、ギリギリ背抜かれなくてよかった」


兄はホッとした顔をした。


あの後、私の身長は170cmで止まった。



「3cm違いだけどね〜」


と言うと、


「そういうところが空と同じなんだよ」


兄は空を抱き上げて言った。


唐揚げを口いっぱいに入れた空のほっぺたは、リスみたいに膨れていた。



「咲ちゃん、僕大きくなった?」


手を広げて見せた。



「う〜ん。大きくなったかもしれないね」


「ほんと?」


空は嬉しそうに笑った。



そんな空を見て、若菜さんも嬉しそうに笑ってる。



家族なんだなぁって感じる。


「ケーキ食べたい!」


空がケーキを指差して言った。



「いいよ、おばあちゃんに切ってもらおっか」


若菜さんが空を連れてケーキを取りに行った。