あのこになりたい

「おはよう」


梨穗と裕香だ。



「晴れちゃったね」


私はため息をつきながら言った。



「三井が聞いたら怒るよ」

「確かに」



私達はゲラゲラ笑った。



「暑いね…」


テントの中でも暑い。



「あれ、また…呼び出し?」


梨穗がいないことに気づいた裕香が言った。



「みたいだね…」


テントの後ろで3年生らしき男の人に何か言われてる。



「たぶんダメだね…梨穂のタイプじゃない」


裕香が言った。



梨穂は夏休みの間に他校の彼氏と別れたのだ。


2年ぐらい付き合ってたのに。



その噂を聞き付けた男が次々と梨穂に告白しにくるというわけだ。



「今日だけでもすでに3人目だよ。どうなっちゃうのかな」


これほどモテる人を初めて見たけど、納得しちゃうぐらいかわいい。