恐る恐る開いたメールの内容は簡潔そのものだった。
【運命の男】
イニシャル…T·Y
身長…………不明
体重…………不明
血液型………不明
年齢…………不明
服装…………赤いネクタイ
職業…………同じ会社
とある。
――え!?これだけ?
明白なのは3項目だけじゃない。
日向子は拍子抜けすると同時に
期待が過ぎた反動で多少不満気味に文句を洩らした。
が、やはり運命の男選びとなるとララでも難しいのだろう。
そう思えば納得できなくもない。
――そうだ。そうに違いない。
だとすれば3項目でもありがたいくらいだ。
的を絞れないわけではないし…。
むしろ同じ会社で赤いネクタイをしている男などそうはいないだろう。
あとは片っ端から名前を訊けばいいだけだ。
さほど難しい作業ではない。
日向子は前向きに考え直すと早めにベッドへと入った。
待ちに待った運命の日に夜更かしでもしてムクンでしまっては元も子もない。
胸が高鳴るのを必死に抑えて、
目を瞑った。
明日必ず出会えますように…。
そう祈りを込めて…。

