貴文と別れたあの日から2週間が過ぎた。



既に働き始めている人もいる中、日向子も入社式を明日に控えて準備に追われていた。


持ち物もスーツも準備完了した。


が、肝心のララからの連絡が来ない。


催促するわけにもいかず、日向子はパソコンの前に座って、気を揉んでいた。



――忘れてるわけじゃないよね?



そう疑りかけたその時、受信ボックスに一通のメールが届いた。


送り主はララだ。


ララとのやり取りはいつもメールで行う。
忙しい彼女は面談が困難だからというのが理由だった。


システムは一回に付き5000円を相談の事前に振り込む。
その程度で運命がわかるのなら安いものだ。


周りは心配する子もいたが、日向子は全く気にはしなかった。
昼に相談メールを送れば、当日内には返信してくれる。


メールだろうが答えは答えだ。
運命には変わりはない。


だが、今回の返信は翌日まで掛かった。


やはり運命の男ともなると占いも慎重になるのだろうか。


やっと返ってきたそのメールには運命の男を見分けるヒントが書いてあるはず。


期待と不安が入り交じる。
雑念が開封ボタンを押す手を阻んだ。



――信じるって決めたじゃない



そう説き伏せて意を決すると、日向子は開封ボタンを押した。