麻里絵は苦笑いしながらも私の決意を尊重してくれたた様だった。



「私には到底理解できないけど、
 日向子がそこまで信じるなら、もう何も言わない。

 その代わり、何かあったら、些細な事でも相談してよ。」



「わかった。ありがと!」



「じゃ、サダメンによろしくね」



「さだめん?」



「運命はさだめとも読むでしょ?
 だから、さだめのメンズで略してサダメン!」



くだらな過ぎて思わずプッと吹き出した。


彼女は上手いことを言ったとでも言わんばかりに鼻を高くしている。


そんな姿が滑稽で日向子はまた高らかに笑った。
麻里絵はやっぱり憎めない。





麻里絵と別れ一人家路につく中、来るべき日を思い浮かべて期待と不安が交錯する。



《どんな人でも受け入れるの?》



ずっと蓋をしてきた核心をつかれ日向子の心中はざわついた。




――サダメン…かぁ。




――どんな人なんだろう。




――できればイケメンでありますように…





燦然と輝く星空を見上げて願いを込めると家路を急いだ。