「かもね。
でも、結局は別れるんじゃないかな……だって、…」
「はいはい。
運命の男じゃないからでしょ」
麻里絵は辟易したように日向子の台詞を代わりに吐き捨てた。
傍から見れば、麻里絵の言う事が正論だろう。
私だってできることなら、そんな夢物語を語りたい。
が、あの日の私が許さないのだ。
幼く無知で馬鹿だった私が…。
二人の主張は平行線を辿った。
信じる女と信じない女。
互いの意見が噛み合うはずがない。
散々言い争った末
お互いに説得などできやしないと二人は黙ってグラスを傾けた。
結果こうなるのも腐れ縁らしいと言えばらしいのだが…。
本題が終了し他に会話が盛り上がるわけもなく、二人は程なく店を後にした。
「またね。」と手を振る日向子に麻里絵が訊く。
「もしも、その運命の男がどんな人でもあんた受け入れるの?」
「うん。そうするつもり。」
「ブサイクでも?」
「運命なんだから、見た目とかは気にしないわ。」
「じゃ、極悪の借金まみれは?」
「運命の男に限ってそんなことはないんじゃない?」
内心ドキッとしたが覚悟してなかったとも言えず日向子は毅然と振る舞った。

