現にマダム·ララの予言は外れたことがない。
それは紛れもない事実だ。
「本当なのぉ~?それぇ~?」
麻里絵が疑いと嘲笑の眼差しを向ける。
「本当よ。
麻里絵だって驚いてたじゃん。
あのクーデターの事…」
以前、女仲間で海外旅行に行こうとした時に、ララの指示に従って急遽行き先を変更したことがあった。
信じてはくれないだろうからと、理由も明かさずに日向子が駄々をこねて変更した結果、
自分達が行くはずだった国でクーデターが起こり内紛がしばらく続くことになった。
日向子たちは行き先を変えたことで事無きを得たということがあった。
思い出そうと下手な芝居をしてはいるが、そんなこともあったっけ?と麻里絵はシラをきった。
「でも、それとこれとは話が違う
と思わない?
恋って…お互いを想う気持ちを
育てていくものだと思うし…」
確固たる証拠を突き付けても、麻里絵は認めようとはしない。
彼女はそもそも占いが嫌いだ。
日頃の私の行動にも噛みつくことが多い。
やはり、今回の件も私の行動が不服なのだろう。
どうやら説教でもしたいらしい。
であれば、こちらも応戦するのみだ。
「じゃあ、訊くけど、
麻里絵は、失敗を繰り返したとしても平気ってこと?」

