続・夜に舞う桜~夜桜~

抱きついてきたのは、大樹だった。


ぎゅぅっと、腕に力が入れられる。


どうしたんだろう?


こんな大樹は初めてだ。


いつもは抱きついてきたら、笑顔の大樹と目が合うのに。


今日の大樹は私の胸に顔を埋めている。


「大樹?」


「会いたかった…っ」


そっか、大樹はまだ中3だもんね…。


族ではしっかりしてても、甘えたい時もある。


大樹が唯一甘えられるのが、私だけだった。


今は悠たちにも甘えられるようになったけども。


それでも、悠たちよりも私に甘えたいという時もあるはず。


ごめんね、寂しい思いをさせて…。


そんな思いを込めて、大樹のさらさらな髪を撫でる。


「私がいない間どうだった?」


「涼さんが魂が抜けたようにボーッとしてた」


魂が抜けたようにって…。