続・夜に舞う桜~夜桜~

おお、女ってわかるのか。


向こうで同じ格好していても、男って思われるのにな。


「だな。これは逆にチャンスじゃねぇか?」


女の体しか見ねぇ奴なんて、最低な奴らだ。


女は道具じゃねぇよ。


同じ人間なんだよ。


だからモテねぇんだ。


「うるせぇよ。少しは黙りやがれっ!!」


俺は女の子の腕をつかんでいた男を蹴り上げる。


その瞬間、男の手から女の子の腕が離される。


女の子には悪ぃけど、引っ張り上げる余裕はない。


周りを見渡し、他のやつらが動かないことを確認し、女の子のそばに行く。


「大丈夫?」


俺は怖がらせないように、笑顔で言った。


フードかぶってるから、顔見えないだろうし。


なるべく優しく問う。