続・夜に舞う桜~夜桜~

「真冬!」


歩き出している俺を、和斗が追いかけてくる。


いつもの〝私〟なら笑顔で振り返るんだろうな。


だけど今の俺はそんな優しいやつじゃねぇ。


天龍は巻き込まないと決めたんだ。


何があっても、大切だったやつらが悲しそうな顔しても…。


その決意だけは何があっても揺るがない。


「…さっきも言ったよな?これは双龍の問題だ。邪魔すんな」


「っ!?」


和斗…ごめんね……。


本当はそんな悲しそうな顔は見たくない。


だけど仕方ないんだ。


でも今回のことは、天龍は関係ないんだ。


天龍を巻き込みたくないんだよ。


それだけは分かってくれ。


「じゃぁな」


「大樹!」


智君が大樹を呼んだ。