「できてるよ」 嘘。本当はできてない。 きっとこんな嘘、陽子にはすぐにバレてしまう。 「分かった。じゃあ、最後のデート楽しんで!」 嘘だって分かってるくせに何も言わないのは陽子の優しさ。 それなのに更に優しい言葉をかけてくれるの。 「...泣きたくなったら言ってね」 泣きたいよ。本当は今も泣きたくてしょうがない。 でも、今泣くのは違う気がするから。 「振られたら、すぐに電話するからね!」 少しでも元気なフリをしよう。 泣くのは、花火大会が終わってから。 それまでは精一杯笑っていよう。