―――世界の片隅で、少年少女は語る 「今年の夏は......どこか違った」 そう、“どこか”が違った。 「そうね。私もそう思う」 名前も知らない少女は僕の意見に同意する。 「今年の夏は、うっとおしい暑さだけではなかった。みんな...夢を抱いてた」 夢の形は違うけれど、みんなささやかな夢を見ていた。